2011年06月29日

中国の空港、拡張相次ぐ 東アジアのハブ争い激化

中国の空港、拡張相次ぐ 東アジアのハブ争い激化
深センで新滑走路、上海浦東は5本目計画



中国で国際空港の拡張が相次いでいる。広東省の深センでは30日に2本目の滑走路が運用を開始する。同省の省都、広州では3本目の滑走路を建設準備中で、香港では3本目の滑走路建設を問う意見募集を始めた。北京や上海でも拡大計画が浮上。旅客と貨物の需要増を背景に韓国なども含め東アジアのハブ(拠点)空港を巡る争いが激しさを増している。



 深センの新滑走路は当初計画より200メートル長い3800メートル。欧州エアバスの長距離線向け超大型機「A380」が離陸しやすい長さを備えた。1日の発着数が滑走路1本では限界に近い500~600回に達していた。国際旅客線はアジアだけだが、欧米線も誘致し国際ハブの地位を狙う。

 2本の滑走路を備える広州白雲空港は東南アジア線に加え、欧米線の誘致にも力を入れる。15日には中国南方航空がカナダ・バンクーバー線を開設。国際線の路線数は100の大台に乗った。便数拡大に備え3本目の滑走路用に土地収用などの準備を始めた。最大5本まで増やす構想もある。

 隣接する広東省内の動きに対し、香港空港管理局は香港国際空港の「第3滑走路建設」か「2滑走路体制の維持」かを問う意見公募を開始した。9月上旬までに意見集約し最終決定する。

 香港のキャセイ・パシフィック航空のジョン・スロッサー最高経営責任者(CEO)は第3滑走路建設案に「全面的な支持」を表明。「他のアジアの主要都市は香港のハブ空港としての地位を狙っている。いったんその地位を失うと取り戻すのは難しい」と強調する。

 すでに中国南部は半径100キロメートル以内に、マカオと珠海も含め5つの大規模空港が存在する。そのうえ北京では2017年完成を目指す第二空港構想が浮上。軍民共用で、民間用には8本の滑走路を確保する計画という。上海では浦東国際空港の滑走路を現在の3本から5本に増やす計画だ。中国内部での主導権争いの様相が強まっている。

 このほか東アジアでは韓国が仁川空港を現在の滑走路3本から20年までに5本へ、タイではバンコクの空港も16年までに2本から3本に増やすなど増設計画が相次ぐ。

 日本も羽田の再国際化や成田の強化で対抗。昨年秋に4本目の滑走路の運用を始めた羽田は、14年に国際線ターミナルを拡張し受け入れ体制を整える。近畿では関西国際空港と伊丹が2012年に経営統合を予定。関空は低温倉庫の整備など国際貨物のハブ化を狙う。

 一方、日本企業の中国事業拡大を受け、日本航空、全日本空輸と中国の中国国際航空などは日中路線を拡大。全日空では国際線の便数に占める日中線の割合が5割に達した。中国南部では日航と全日空が広州と香港に乗り入れ、中国の航空会社が日本と深セン、マカオを結ぶ路線を運航。空港拡張で路線や便数をさらに増やす余地が生まれる。

2011年6月28日 日経新聞夕刊より



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Posted by CAコンシェルジュ at 22:46│Comments(0)■航空業界ニュース
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