2010年08月19日
航空業界ニュース
羽田の中国線増便枠 全日空・日航、当面国内線に
全日本空輸と会社更生手続き中の日本航空は、それぞれ中国線の増便に使う予定だった羽田空港の発着枠を当面は国内線に転用する方針を固めた。日中両政府間の航空交渉が大幅に遅れ、10月に予定していた増便が不可能になったため。こうした発着枠の転用は例がないが、所管官庁の国土交通省も「暫定的な措置」として黙認する見通しだ。
全日空は10月31日に羽田―徳島線を開設し1日3便(往復)を運航する予定だが、このうち2便分を中国線向け発着枠の転用で充当する。残り1便分は羽田―大分線(現在1日5便)の減便で対応する。
日航も1日2便分の中国線向け発着枠を国内地方路線に振り向ける計画で、「具体的にどの路線に活用するか検討中」(広報部)という。
全日空と日航は現在、羽田から北京線、上海線、香港線を1日1便ずつ運航している。羽田の新滑走路の完成による発着容量の拡大に合わせ、10月末に北京線と上海線を1日2便に増やす計画だったが、中国側が自国内の旅客需要の急増で北京と上海の空港の発着枠を日本に回す余裕がなくなっため、政府間交渉が事実上ストップ。両社は10月増便を断念した。
国交省は近く高官を中国に派遣し交渉再開を働きかける。全日空も日航も交渉がまとまり次第、発着枠を本来の中国線用に戻す予定だが、運賃設定や航空券の販売準備などの都合で「少なくても来年3月末までは国内線に転用せざるを得ない」(全日空幹部)という。
【2010/8/19 日本経済新聞より】
Posted by CAコンシェルジュ at 11:10│Comments(0)
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